輪投げで試験!? (前編)

 

こんばんは、ゆうきゆうです。

 今回は、まずちょっとしたテストをしましょう。

 今のあなたは、大本命の会社の最終面接に臨んでいる学生さんです。

 

 「どんな試験だろう……」ドキドキしながらあなたが向かうと、面接官が全員に「輪投げの輪」を渡して、言いました。

 

「今から、輪投げをしてもらいます」

 

 驚く受験生たち。

 すると面接官は、さらに驚くことにこう告げたのです。

 「距離は、30センチから5メートルまで、好きな距離から投げてもいいですよ」

 見ると、確かに床に距離のラインが書いてあります。

 あなたは考えました。

 近くで投げれば、絶対に失敗はしない…。でも評価だってそれほどじゃないだろうな…。

 遠くで投げて入れば、かなりポイント高そうだ…。でもかなり難しそうだし……。

 真ん中くらいなら、入るか入らないか、ちょうど半々くらいだろうな……。

 

 それではここでクエスチョン!

 あなたなら、どこから投げますか?

 30センチから1メートルほどの近くから投げるか!? 4メートル以上の遠くから投げるか!? それとも、真ん中くらいからにするか!?

 大体の距離を考えてから、続きを読んでくださいね。

 

 

 心理学用語で、「達成欲求」というものがあります。簡単に言うと 自分に適切な課題を課し、それを実行しようという意欲のこと。もっと分かりやすく言えば、「何かを強く成し遂げたいと思う気持ち」。

 

 これに対して、心理学者アトキンソンは、こんな実験を行いました。

 まず被験者たちに心理テストを実施し、それぞれの被験者が「達成欲求」をどれだけ持っているかを調べました。そして彼らを、この達成欲求が「強い人」と「弱い人」と分けたのです。

 

 さらに彼らに、さっきの問題とまったく同じ条件の下で、「輪投げ」をやらせました。

 ここで実験者が測定していたのは、「実際に入ったか入らなかったか」ではなく、「被験者がどの距離から投げるか」だけだったのです。

 

 すると、なんと!

 達成欲求が「強い人」は、ほとんどの人が、「中間距離」で投げたのに対して、達成欲求が「弱い人」は、「近距離」か「遠距離」で投げることが多かったのです。

 これはどうしてなのでしょうか!?

 

 

 達成欲求が弱い人とは、「何かを強くやり遂げようと思う気持ちが少ない人」。

 そしてそれ以上に、彼らは失敗し、自分のプライドがキズつくのを恐れているものです。

 よって彼らは、「思いっきり近くから投げてしまう」か、「めっちゃ遠くから投げることで失敗したときの言い訳にしようとする」かのどちらかを選んだのです。

 ちなみにこのように、「失敗したときの言い訳を作るために、不利な条件を選ぶこと」を『セルフ・ハンディキャッピング』と言います。

 

 逆に達成欲求が強い人は自分にとって適切な課題を選び、それに向かって努力する傾向が強いので、ちょうどいい「中間距離」を選ぶことが多かったわけです。

 

次回予告:輪投げの実験と面接の関係は!? そしてそこから導かれるテクニックとは?